IT-BCPの為のバックアップシステムの導入

Back Up System for IT-BCP(Infomation Technology Business Continuity Plan)

1.企業標的型攻撃に対しての防御策の一つとして、被害の軽減化のためにバックアップシステムの導入が有効です。

 企業標的型攻撃では、企業にとっての重要な資産であるデータを人質にとられ、それを交渉材料にされます。その際の手法を以下にしめします。バックアップは下記①、③に対して有効となる対策です。

①業務データを攻撃者が暗号化し、利用できなくする
 複合化のキーと引き換えに代金を要求される。
 これをされるとITが事業に密接に関わっている現在において、事業継続ができなくなる。

②機密データを窃盗し、公開すると脅迫する。
 事業者にとっては致命的ではあるが、攻撃者側にとっては攻撃途中に検出されるリスクが高く、
 機密データを特定するのも難易度が高く、身代金を取れる可能性が①よりも低い。

③データの改竄、消去が行われる。
 この場合、身代金を要求するのではなく、事業継続を不可能にすることが攻撃の目的。

2.具体的なバックアップシステム導入時の検討項目

 バックアップシステムを導入するにあたっては、自社のシステム構成、業務データの変更頻度等を考慮して、事業継続に必要なデータが保全される仕組みを検討します。

バックアップ構成

  • 複数装置(3:コピー-2:別メディア-1:オフライン)
  • ネットワーク分離(基幹LANとは別系統にする。アクセス権限を別にする)

バックアップタイミング

  • 変更時取得
  • 定期的取得
  • 世代管理
  • フルバックアップ / 差分バックアップ
  • オンライン / オフライン

バックアップ対象

  •  システム機器(システムイメージ)
  •  システム機器設定データ
  •  システム機器動作ログ(攻撃の解析に必要)
  •  業務データ
  •  重要データ(個人情報、機密情報)
  •  顧客データ

3.リストア

バックアップが取れていたとしても、リストアが成功しないと意味がなくなります。
注意すべきは以下の点です。

  • バックアップデータが感染に至らずクリーンであることの確認
  • リストア先が感染が取り除かれクリーンな状態であることの確認
  • バックアップデータが時期がずれたデータでないこと
  • バックアップデータに不足や欠落がありデータ不正後を引き起こさないこと
  • リストア対象とリストア手順・順番のミス

US-CERT Data Backup Options
https://www.cisa.gov/sites/default/files/publications/data_backup_options.pdf

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)ランサムウェアの脅威と対策
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/measures/ug65p9000000njuc-att/000057314.pdf

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